博多とよ唐亭の物語。

起業家 豊永 憲司

繁盛店にはわけがある
小さなハッピーを届け続ける
「とよ唐亭」のこころ至上主義。

取材・構成  イワブチシンジ

起業家 豊永 憲司

編集前記

唐揚げの話を聞きに行ったら、会社の物語だった。福岡の街を走っていると赤い看板が目に入る。
「博多とよ唐亭」。大きな唐揚げを弁当に詰めて、持ち帰る。シンプルで、分かりやすい。けれど、その店を運営している「株式会社喰道楽」の歩みを聞いてみると、決して単純な物語ではなかった。内装業から始まり、バー、ミートパイ、クレープ、焼き鳥、、いくつもの仕事に挑戦、うまくいかなかったことも経験、辿り着いたのが「唐揚げ」だった。二千十二年、二日市駅前に一号店をオープン。そこから一店舗、又一店舗。現在は六十五号店まで成長し、目標は百店舗、、今回は、唐揚げそのものではなく、その向こう側にある株式会社喰道楽という会社の「時間」を訪ねた。

第一章 もう一度。

リセット・リスタート。

今の姿だけを見ると、最初から飲食店をやっていたように思えてしまう。しかし、意外や、豊永さんの始まりは、清掃業と内装業だった。当時、清掃の仕事から持ち前のバイタリティで内装の施工に至る迄、急成長、ハウスリフォームから商業店舗迄、そうした経験から飲食業界に挑戦、バーをやり、、クレープ、焼き鳥にも挑戦した。焼き鳥屋は地元地域では評判の地域ローカルチェーンに成長、、がしかし、豊永さんは、そこで飲食業界が抱える多くの課題(問題)に気付く。そして全てをリセットするという決断をし唐揚げに着眼、リスタートする。

リセット・リスタート。

第二章 目標を。

高い目標、百店舗への挑戦。

唐揚げ弁当専門店を「百店舗つくる。」ある意味、無謀ともいえる目標だった一店舗を運営するだけでも簡単ではない。まして百店舗となれば、料理がおいしいだけでは到底たどり着けない。 無論一人では出来ない、その為には人を育て、何よりその品質を揃えること、そして会社として成長すること、その為には何より「仕組み」をつくること。自分たちの会社を、どういう会社にするのか?美味しい「唐揚げ弁当」をつくることと同時に、経営や事業のその未来を考える。

高い目標、百店舗への挑戦。

第三章 転機。

二日市駅前の一号店。

二千十二年、「博多とよ唐亭」の一号店が二日市駅前にオープンした。今では当たり前のように見える、とよから亭のある風景、そして唐揚げ弁当。でも、最初から今の形が完成していたわけではない。社長、自ら店頭に立った。揚げる。詰める。お客さんに渡す。一人のお客さん、一つの弁当。そんな小さな積み重ねから始まった。「揚げたてでおいしいものを、早く、気軽に持ち帰ってもらう」そのシンプルな考えが、地域に住む人が買いに来てくれ、常連さんとなり、少しずつ店の形になっていった。

二日市駅前の一号店。

第四章 個性。

赤い看板が、街の風景になる。

「博多とよ唐亭」の特徴は、何といっても分かりやすいことだ。赤い看板。そして、指差しおじさん、一度見たら忘れにくい、商品も同じだ。げんこつのように大きな唐揚げ。ブランドとしての分かりやすさは、少しずつ福岡の街に浸透していった。一号店から始まり、二号店、三号店。店が増えるたびに会社も大きくなる。けれど、店舗が増えるということは、それだけ新しい人が会社に加わるということでもある。店を増やすことと、人を育てること。その二つが、いつしか同じ意味を持つようになり、それが何より楽しくなっていく。

赤い看板が、街の風景になる。

第五章 思い、こころ。

一個の唐揚げを支える人。

店頭に立っているスタッフだけが「博多とよ唐亭」ではない。自社で全て製造から管理・配達、そして店舗販売に至るまで行う為、多くの人が関わる、何より生産者の方々、そしてセントラルキッチンで仕込みをする人、食材を管理する人、商品を運ぶ配送する人、商品のことを考える人、店舗を支える人、そして人を育てる人。一個の唐揚げが、お客さんの手元に届くまでには、沢山の仕事が繋がり、その責任も店舗数が増え、当然、それを支える仕組み、チーム作りも必要になる。

一個の唐揚げを支える人。

第六章 成長へ。

成長する仲間たち。

百店舗という目標を聞くと、どうしても店舗数に目がいく。けれど、話を聞いていると、どうやら本当に目指しているものは別のところにある。「百店舗をつくれる人」を育てること。 一人でできることには限界がある。だから仲間をつくる。任せる。育てる。そして、また新しい人が次の店をつくっていく。会社が成長するということは、数字が増えることだけではない。 そこに関わる人が成長していくこと、その積み重ねこそが、喰道楽という会社の成長なのだろう。

成長する仲間たち。

第七章 次の幸せ。

過去から未来へ。

一軒の唐揚げ店から始まったように見える「博多とよ唐亭」。しかし、その背景には、たくさんの挑戦と失敗、そして人との出会いがある。振り返れば、決して一直線の道ではなかった。遠回り、失敗の連続だった。でも、その失敗や遠回りがあったからこそ、今がある。そして、百店舗という目標も、長い物語の途中にある。一個の唐揚げから始まった小さな挑戦は、いまや多くの人が関わる仕事になった。〜過去は現在をつくり、現在が未来をつくる〜 素敵なユーモアな生き方だ。

過去から未来へ。

編集後記

唐揚げ一個から、未来を考える。今回、株)喰道楽の代表の豊永さんの話を聞いていて面白かったのは、成功の話だけではなかった。むしろ印象に残ったのは、その前にあった数々の挑戦と失敗の話だった。バーをやった。クレープをやった。焼き鳥をやった。一見すると、遠回り。でも、人生も会社も、最初から正解が分かっているわけではない。やってみて、違ったら変える。失敗だと判断したら、そこから学ぶ。その繰り返しの先に、自分の形が見え、少しづつ「勝ち方」が見えてきたと、、喰道楽にとって、それが「博多とよ唐亭」だった。そして今、六十五号店、目標は百店舗。がしかし目標はあくまで目標である、目的と手段、時代を読み、何より人(お客様と従業員、共に働く仲間)のことを考えて、、
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今度、機会があれば、豊永さんの趣味である海釣りに同行し、そんな話もしながら釣りの魅力を体験したいものである。